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2019.4.7「見よ、善きかな、楽しきかな」(詩133、134篇)

 こんにちは、豊栄キリスト教会牧師の近 伸之です。
週報はこちらです。

聖書箇所 『詩篇』133、134篇



1.
 「あなたにとって、日曜日にはどうしても欠かせないものは何ですか」と聞かれたら、当然ここにおられる方々は「礼拝」と答えるでしょう。
しかし巷では、サザエさんと答える方も多いようです。あるいは平成生まれの世代は「ちびまる子ちゃん」と答えるのでしょうか。
「サザエさん症候群」という、ストレス症候群があるそうです。
日曜日にサザエさんを見終わると、心の中にむなしい風が吹き、ああ、日曜日終わっちゃう、明日から学校かあ、会社かあ、いやだなあ。
そう考えずにはいられないというもの。ドキッとした方もいるのではないでしょうか。
月曜日のことを考えると憂鬱でたまらない現実の人々に比べると、サザエさんの登場人物は気楽でいいよなあ、と思いませんか。
しかしサザエさんを長年にわたって研究している、あるグループによれば、むしろ彼らの方がよほど大変だ、というのです。
この研究グループは、サザエさんの原作本に出てくるすべての会話を調べて、登場人物の年齢を割り出しました。
それによると、一家の大黒柱である波平さんは54歳、お母さんのフネは48歳だそうです。ところが長男のカツオは、まだ小学生。
60歳定年の頃に書かれたサザエさんにおいて、波平さんは子どもを大学に行かせるために、
定年になってもまだまだ仕事を探し続けなければならない、厳しい老後が待っているのだということです。
彼らの生活レベルの鍵を握っているのは、同居するフグ田家の存在。彼らがどれくらい援助してくれるかという、生々しい話が続きます。
 それでも、家族がみな同じ家で生活している、サザエさん、あるいは、ちびまる子ちゃんの世界に、私たちは惹かれます。
家族全員が、同じテーブルに座り、同じ食事をつついている、何気ないけれども今となっては貴重な姿がそこには現れます。
来年、2020年は56年ぶりに東京でオリンピックが開かれます。前のオリンピックの時、東京にやってきた外国人記者たちは、
わずか20坪ばかりの、同じような形の家がずらっと並んでいる、長屋のような日本の住宅街を見て、ウサギ小屋と揶揄しました。
しかしどんなにささやかであっても、人々が自分の家を持とうとした理由、それは家族団らんこそが人生のしあわせだと信じていたからです。
それから半世紀、日本人のライフスタイルは変わりました。家族のすべての世代が、一緒に暮らし、一緒に食事をする家庭は少数派です。
しかしたとえ平成生まれの若い人でも、サザエさんやちびまる子ちゃんのような家族団らんの風景を知っている人がほとんどです。
だから家族がひとつに集まることは、いまの時代では困難なことはあっても、本来は普通のことなのだという感覚は、日本人に共通しています。
しかし、この詩篇の背景である、イスラエルにおいては、家族が共に集まるということは普通どころか、奇跡そのものだったのです。

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posted by 近 at 21:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 2019年のメッセージ