こんにちは、豊栄キリスト教会牧師の近 伸之です。
自宅でひきこもり状態だった長男を殺したとして殺人罪に問われていた元農水次官に、懲役6年の実刑がつきました。
元農水次官の年齢は76歳。私の父と同じ、昭和18年に生まれになるのではないかと思います。
殺された長男の年齢は私より四つ下(妻と同じ年齢)ですが、以前彼が母親に暴力を振るうほど激昂したのが、
エルガイムのフィギュアを勝手に捨てられたことだと、事件当時に報道されていました。
エルガイム、おぼえています。サンライズ系アニメの中ではマニアックな部類に入っていました。
彼の父親が無実だと言うつもりはありません。せめて執行猶予はつけてあげるべきではないかと思いますが。
しかし「外部に相談しなかった」ということが量刑のポイントだとしたら、この判決は未経験者のひとりよがりでしょう。
経験から言うと、思春期からのひきこもりが25年間も続き、暴力を振るっている状態に対して、
有効に対応できる相談機関はほとんどありません。相談してもどうすることもできないというのが現実です。
警察を何度も呼べません。福祉事務所や地域包括センターも無力です。それは根拠法令が整備されていないからです。
現在の法律は、配偶者の暴力、そして
未成年の家庭内暴力に対しては比較的手厚く対応してくれます。
しかし
すでに成人になっているのに家庭内暴力を起こしている人に対しては、事件が起きるまではいたちごっこなのです。
家庭内暴力の特徴は、外部の人間がいる場では普通に過ごしているということです。
だから中途半端な援助者が入っても改善しません。
同じような悩みを抱えている人が集まる自助グループは、地方都市では困難が伴います。
東京ならいざ知らず、地縁血縁の強い地域では、
家庭の恥をさらしては生きていけないのです。
もちろんその受け皿として、私たち宗教関係者も関わるべきだと思っています。
本当に「
外部に相談しなかった」のでしょうか。
それとも「
相談しようにもどこに相談して良いかわからなかった」のか。
あるいは「
相談したけれども、結局は自分たちで何とかするしかなかった」のではなかったのか。
今回の事件を通して、一刻も早く、家庭内暴力を伴う成人の引きこもりに対する法整備が進みますように。
今も苦しんでいる人々がいるのですから。
裁判員を務めた20代の女性会社員は「正直、すべてが明らかになったとは思わない」としつつ、「家族の問題は小さなことも含めて誰しも経験する」と述べ、今回のケースがひとごとではないと指摘。裁判を終えて「何かあったら家族に頼れる関係を大事にしながら過ごしたい」と語った。
30代の女性会社員は、被告や妻の話に「同情したり共感したりしたことは少なからずあり、どこまで感情を入れていいか悩んだ」と振り返った。その上で「外部に相談しなかった」という事件の特徴を念頭に「世の中には同じような問題を抱えた家族がたくさんいる。家族内にとどめず、気軽に相談できる社会になってほしいし、なるべきだと思う」と投げかけた。
別の裁判員は「被害者が亡くなっていて、被害者の意見がなかった」と判断の難しさに言及。「家庭も仕事もすべてうまくいくわけではない。息子に対して、もう少し、高いものを求めないことはできなかったか」と漏らした。
週報は
こちらです。
聖書箇所 『ルカの福音書』1章26-56節
26 ところで、その六か月目に、御使いガブリエルが、神から遣わされてガリラヤのナザレという町のひとりの処女のところに来た。27 この処女は、ダビデの家系のヨセフという人のいいなずけで、名をマリヤといった。28 御使いは、入って来ると、マリヤに言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたとともにおられます。」29 しかし、マリヤはこのことばに、ひどくとまどって、これはいったい何のあいさつかと考え込んだ。30 すると御使いが言った。「こわがることはない。マリヤ。あなたは神から恵みを受けたのです。31 ご覧なさい。あなたはみごもって、男の子を産みます。名をイエスとつけなさい。32 その子はすぐれた者となり、いと高き方の子と呼ばれます。また、神である主は彼にその父ダビデの王位をお与えになります。33 彼はとこしえにヤコブの家を治め、その国は終わることがありません。」34 そこで、マリヤは御使いに言った。「どうしてそのようなことになりえましょう。私はまだ男の人を知りませんのに。」35 御使いは答えて言った。「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます。それゆえ、生まれる者は、聖なる者、神の子と呼ばれます。36 ご覧なさい。あなたの親類のエリサベツも、あの年になって男の子を宿しています。不妊の女といわれていた人なのに、今はもう六か月です。37 神にとって不可能なことは一つもありません。」38 マリヤは言った。「ほんとうに、私は主のはしためです。どうぞ、あなたのおことばどおりこの身になりますように。」こうして御使いは彼女から去って行った。
39 そのころ、マリヤは立って、山地にあるユダの町に急いだ。40 そしてザカリヤの家に行って、エリサベツにあいさつした。41 エリサベツがマリヤのあいさつを聞いたとき、子が胎内でおどり、エリサベツは聖霊に満たされた。42 そして大声をあげて言った。「あなたは女の中の祝福された方。あなたの胎の実も祝福されています。43 私の主の母が私のところに来られるとは、何ということでしょう。44 ほんとうに、あなたのあいさつの声が私の耳に入ったとき、私の胎内で子どもが喜んでおどりました。45 主によって語られたことは必ず実現すると信じきった人は、何と幸いなことでしょう。」
46 マリヤは言った。「わがたましいは主をあがめ、 47 わが霊は、わが救い主なる神を喜びたたえます。48 主はこの卑しいはしために目を留めてくださったからです。ほんとうに、これから後、どの時代の人々も、私をしあわせ者と思うでしょう。49 力ある方が、私に大きなことをしてくださいました。その御名は聖く、50 そのあわれみは、主を恐れかしこむ者に、代々にわたって及びます。51 主は、御腕をもって力強いわざをなし、心の思いの高ぶっている者を追い散らし、52 権力ある者を王位から引き降ろされます。低い者を高く引き上げ、53 飢えた者を良いもので満ち足らせ、富む者を何も持たせないで追い返されました。54 主はそのあわれみをいつまでも忘れないで、そのしもべイスラエルをお助けになりました。55 私たちの父祖たち、アブラハムとその子孫に語られたとおりです。」56 マリヤは三か月ほどエリサベツと暮らして、家に帰った。
聖書 新改訳

1970,1978,2003 新日本聖書刊行会
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