福田総務会長 旧統一教会と政治「何が問題か分からない」発言を釈明(TBSニュース)
自民党の福田総務会長は29日、旧統一教会の関係者から自民党の議員が支援を受けていることをめぐり、「何が問題かよく分からない」と述べましたが批判を受け、発言について釈明しました。さて、今回の発言主である福田達夫氏は、かの故・福田赳夫元首相の孫にして福田康夫元首相の長男にもあたる、いわば政界のサラブレッド。慶応大学を卒業後、旧財閥系の一流商社での勤務を経て、自民党王国である上州の地盤を引き継ぎ、将来の総理候補でもあるようです。しかし今回の発言で、だいぶ評価を下げてしまったかもしれません。年齢としては私より少しお兄さんの55歳。中学生の頃には桜田淳子・山崎浩子両氏らの合同結婚式の報道を見ているでしょうし、当然、慶応の三田キャンパスでも霊感商法について聞いたり、警告を受けていたはずです。30歳以下の人ならともかく、私と同世代の人々が、知らない、わからないという理屈は通用しません。自民党・福田達夫総務会長自民党の福田総務会長は会見で旧統一教会の関係者から自民党の議員が支援を受けていることについて、「自民党が組織的に教団側から強い影響を受けて、政治を動かしているのであれば問題かもしれないが、僕の今の理解の範疇だとそういうことが一切ない」などと話し、「正直、何が問題かよく分からない」と述べました。
「正直、僕自身が個人的に全く関係がないので、なんでこんな騒いでいるのか正直よくわからないというのはあります」
その後、福田総務会長は発言について釈明し、「被害を生み出すような社会的に問題が指摘されている団体との関係が問題であることは言うまでもありません。それゆえに、自分としてはそのような団体との付き合いはしておりません」とのコメントを発表しました。
私は同盟教団に所属する一教師ですが、教団は内外に多くの問題が山積していることは承知しております。牧師とはいえ一つの教団に所属する者であるからこそ、「個人的に関係がないからなぜこんなに騒いでいるのかよくわからない」というような言葉は、たとえそれが個人的な言明であろうとも、決して頭には浮かびません。福田氏には、私がしばしば説教で引用する、元新潟市長が職員に語った「知らないことは罪である」という言葉をおぼえていただきたいと思います。統一協会は、悔い改めてまっとうな団体に変わったのではなく、名称を変え、母体を隠し、今も大学キャンパスで活動していることは大学関係者のあいだでは常識です。私の関係する大学でも、毎年新入生オリエンテーションでは、統一協会に詳しい某牧師からのレクチャーを実施してきました。あるネット情報では、祖父にあたる福田赳夫氏も、かつて勝共連合を支持する発言をしていたということです。個人的には関係ないと思っていても、達夫氏が父や祖父から引き継いだ地盤・カバンの中に、じつは旧統一協会から「草」が忍び込んでいるのかもしれません。政治家は発言には注意しなければなりません。牧師はなおさらですが。
(「草」:忍者が敵地を探るために身分を隠して忍び込み、子々孫々にわたってスパイ活動を行うこと。完全にその地になじんでいるので草と呼ばれる)