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緊張の説教論(1)「主要参考資料」

神学校の卒業論文(2002年)として提出した「緊張の説教論」です。
あえて一切の加筆修正をしないことに決めました。

まず参考資料(コメント入り)から挙げます。英書は入れておりませんので、ご了解ください。
今では入手できないものもありますが、参考にしていただけたら幸いです。主要参考文献(出版年順)

1.説教全般についての神学的考察
後藤光三『説教学』(聖書図書刊行会、1960年)
 説教史からその本質、テクニックまですべて網羅している。四十年経っても古さを感じさせない指摘に満ちている。
藤井孝夫『説教学入門』(日本基督教団出版局、1962年)
 CS教師向けに書かれたという割には内容は神学的。
加藤常昭『説教−牧師と信徒のために』(日本基督教団出版局、1964年)
 説教論についての信徒向けの解説書。同じテキストに関する複数の説教の比較も付いている。
渡辺善太『聖書的説教とは?』(日本基督教団出版局、1968年)
 著者の持論である「聖書をいかに読むか」を説教論へと拡大。説教論よりも聖書論が濃厚。
C.ヴィスロフ著、鍋谷堯爾・宮本威訳『説教の本質』(聖文舎、1970年)
 福音派では珍しく説教の本質を鋭く語っているが、訳はとても読みやすい。
D.ボンヘッファー著、森野善右衛門訳『説教と牧会』(新教出版社、1975年)
 ボンヘッファーのキリスト論的説教学。もともとは別の講義を一冊にまとめたものであり、説教と牧会の統体性について論じたものではない。
R.ボーレン著、加藤常昭訳『説教学T・U』(日本基督教団出版局、1977-78年)
 説教論を総括した大著。Tは理論的、Uは実際的。有益ではあるが読みこなすのに努力と時間が必要。
関田寛雄『聖書解釈と説教』(日本基督教団出版局、1980年)
 小論集。バルト的解釈の傾向が強いが、彼の神学を様々な観点から批判的に学ぶ上でも有益。
H.J.クラウス著、佐々木勝彦訳『力ある説教とは何か−H.J.クラウス説教論』(日本基督教団出版局、1982年)
 説教の力の根拠を根本的に問い直す。今日の日本の福音主義教会の現実に対しても、極めて示唆が多く、考えさせられる。
D.リッチュル著、関田寛雄訳『説教の神学』(日本基督教団出版局、1986年)
 説教についてバルト的理解を下地として歴史的・理論的にまとめている。しかし今日の現状分析について示唆に富む書。
『説教者のための聖書講解−説教の課題と現実』(日本基督教団出版局、1987年)
 小論集。説教論・説教史・世界の説教・コメンタリーリストまで幅広い。
K.バルト/E.トゥルナイゼン共著、加藤常昭訳『神の言葉の神学の説教学』(日本基督教団出版局、1988年)
 バルトは説教の本質や諸基準など。トゥルナイゼンは説教の課題について。
D.M.ロイドジョンズ著、小杉克己訳『説教と説教者』(いのちのことば社、1992年)
 “説教の優位性”に着目しつつ、本質から構成まで網羅している。
加藤常昭『説教論』(日本基督教団出版局、1993年)
 「説教の神学的基礎」「説教の課題」などの小論集。極めて示唆が多い書。
P.T.フォーサイス著、楠本史郎訳『フォーサイスの説教論』(ヨルダン社、1997年)
 20世紀初頭の著作だが、現代社会の病理と説教との関係性についての指摘は古さを感じさせない。
藤原導夫『キリスト教説教入門−その本質と実際』(いのちのことば社、1998年)
 まさに入門書。短い中で非常によくまとまっているが、簡単すぎる印象も。
C.E.ブラーテン/R.W.ジェンソン編、芳賀力訳『聖書を取り戻す−教会における聖書の権威と解釈の危機』(教文館、1998年)
 エキュメニカルな会議での講演集。ジェンソン、A.マグラスなどが特に示唆深い。
山口隆康・芳賀力編『説教と言葉−新しい時代の教会と説教』(教文館、1999年)
 加藤常昭氏献呈論文集。内容は説教論から会堂建築・教団会議まで幅広い。
加藤常昭『愛の手紙・説教−今改めて説教を問う』(日本基督教団出版局、2000年)
 加藤氏の最近の論文を集めた小論集。既刊のものと重なる部分も多いが有益。
T.H.トロウガー著、越川弘英訳『豊かな説教へ想像力の働き』(日本基督教団出版局、2001年)
 アメリカで主流的な「物語の説教」を連想させる。論文というよりもエッセイ的。

2.説教手法についての実践的説明
A.レイノールズ著、山口昇訳『説教の準備』(いのちのことば社、1961年)
 説教についての具体的な示唆に富む。理論より実際的。
C.H.スポルジョン著、H.ティーリケ編、加藤常昭訳『説教学入門』(ヨルダン社、1975年)
 ドイツでは軽視されていたスポルジョンを神学的に再評価した好著。内容は非常に実践的。
J.E.アダムズ著、鈴木英昭訳『説教−その組立と話し方』(いのちのことば社、1978年)
 説教をパブリック・スピーキングとして「話し方」に特化した書。
羽鳥明『心に触れる説教とは』(いのちのことば社、1986年)
 説教の準備などについての、極めて実際的な内容。
H.W.ロビンソン著、島田福安・礼子共訳『講解説教入門』(聖書図書刊行会、1987年)
 説教理論というよりはだいぶくだけた内容。訳は簡潔で極めて読みやすい。
A.W.ブラックウッド著、福士卓司訳『講解説教の技法』(聖恵授産所出版部、1996年)
 説教の具体的な準備や構成などの、やはりハウツーに近い内容。
F.B.クラドック著、吉村和雄訳『説教−いかに備え、どう語るか』(教文館、2000年)
 実践的な内容。巻末にある洋書の参考文献リストも有益。

3.今日における説教の教会的現状
H.ティーリケ著、佐伯晴郎訳『教会の苦悩−説教に関する私の発言』(ヨルダン社、1967年)
 ドイツの教会の現場からの一提言。ユーモアに溢れた内容でかつ現状を鋭く突いた好著。
M.ヨズティス著、加藤常昭訳『現代説教批判−その律法主義を衝く』(日本基督教団出版局、1971年)
 今日の教会が陥る律法主義的危険を実際の説教例から挙げている。
T.H.トロウガー著、迫川由和訳『21世紀の説教を求めて−10人の説教者の物語』(教文館、1998年)
 架空の人物のディベートを通して今日の説教論の問題、特にアメリカの教会の現実について語る。

4.説教史その他
泉田昭「聖書の権威と説教−使徒4:1-14−」、JPC編集委員会編『聖書と宣教』(日本プロテスタント聖書信仰同盟、1976年)
 説教史を「聖書の権威」に特化した小論。短いがわかりやすく有益。
E.ダーガン著、関田寛雄監修、中嶋正昭訳『世界説教史T〜W』(教文館、1994-1997年)
 説教の歴史についての金字塔的作品。「アメリカ篇」の出版が待たれる。

以上
posted by 近 at 11:55 | Comment(0) | 説教論
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